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日記×続大和撫子(18)

鎌倉時代の女性。

今回紹介するのは、阿野廉子だ。

後醍醐帝の中宮に仕える女房の一人だったが、後醍醐帝の寵愛を受けた。

が、よくいる寵姫と違うのは、腹のくくり方だ。

後醍醐帝の鎌倉幕府転覆計画が発覚して島流しが決定した時に、数いる寵姫の中から、廉子だけが「私も同行します!」とついて行ったのだ。

これは惚れざるを得ない。

さらには、島流し生活中に、こんなことがあった。

廉子が連れてきていた侍女が産気づいてしまった。

真夜中だったが、廉子は侍女の見舞いへ行くと見張りの侍達に訴え、輿に乗って出かけた。

次の日の朝、廉子はもちろん、後醍醐帝も島から姿を消していた。

廉子が、侍女の出産にかこつけて、後醍醐帝を隠して輿に乗せ、島から脱出させたのだ。

どん底に落ちぶれてもついて来てくれる。これだけでも充分慰められ、惚れ直してしまうだろう。

だが、さらに窮地に陥っても、危険を省みずに機転を利かせて助け出してくれたともなれば、一生ついていきたくなるほど惚れてしまうに違いない。

こういう女性を寵愛しないなら、誰を寵愛すればよいのかというレベルだ。

ここまで寵愛される理由に説得力がある寵姫は、日本史的にも世界史的にも珍しい。