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4.29DDT後楽園雑感

・昨日は竹下vs遠藤一本でいいでしょう。

・まず煽りVが本当によくできていた。

遠藤の竹下へのコンプレックス、「『DDTの未来』と僕が言うのは、『今』と言っちゃったらもうその先ないっことでしょう」(竹下)

「未来って何なの?いつのことなの?じゃあ俺らがやってることはなんなの?」(遠藤)

という『未来』論争、プロレスへの価値観の違い、そしていっときは確かに存在したハッピーモーテル時代の友情、そしておそらく誰もが引っかかったこのやりとり、

「なんで俺がTシャツ着たまま試合わかる?」(遠藤)

「あーもうそういうメンヘラ女みたいな問いかけどうでもいいから。試合で勝負しようや」(竹下)

あれはなんで映像班の人はカットしないでそのまま流したのだろう。

「メンヘラ女」という言葉に好感を持つ女の人はほとんどいない。

あれは団体のエースにする人に発せさせるには不用意な発言で(同時に竹下の若さと幼さを感じさせたが)、ヒールにするわけでもないのにああいうのを出させてはいけない。

もっともそういう加工をしないドキュメンタリー気質の部分がプロレスの面白いところでもあるのだけど。

この試合、客席の声援は遠藤一色だった。

どうしたってエリート街道に見える竹下に比べ(実際は結構エリートでなかったりするが)、何もないところから努力一本で上がってきた遠藤の方が共感を得やすいとはいえ、これだけ遠藤に声援が集中するのはいろんな部分で「竹下に乗れない」という人が多いのだろうと考える。

そしてその遠因に竹下の持つ「圧倒的なまでの若さ」がある気がする。

・試合。最初に「え?」と思ったのは20分過ぎてから遠藤がそれまでの文脈になかった足責めを始めたことだ。

「最初からやり直すの?」と思った。

結果的には本当にやり直すような試合になった。

・30分過ぎ、竹下が攻勢をかけてあとはフィニッシュに持ってくだけ、という場面で遠藤のセコンドの佐々木がエプロンに上がりレフェリーと竹下の意識を分散させる。

これはブーイングくるか、と思ったら意外に客席は好反応。

ダムネーション推しというより「もっと試合を見たい」という反応に見えた。それは実現する。

・35分、40分と過ぎても決着がつかない。しかもハードな攻守交代がずっと続く。これはオカダ新日本の試合に対するDDTのアンサーか、とか考えた。

・KO-D選手権は「時間無制限一本勝負」だと勘違いしてた。

(昔は無制限だったよね?)

なので「60分時間切れドロー」に頭が回らず、井上リングアナが「残り時間5分!」というまで「これどうなるんだろう」と思ってた。

にしても竹下も遠藤も50分とかそれぐらいの時間になっても動けるし、いい打撃を入れる。

60分時間切れってだいたい最後の方は両者ダウン→カウント→両者立つを繰り返したりして時間切れになるものだけど、この試合はそういうのもなかった。

考えてみると二人ともに20代前半。竹下21歳、遠藤24歳。

ちょっと前までトップになるのは30歳以降が当たり前だったプロレス界で、この年齢の二人がトップにいるって大変なことだ。

・竹下と遠藤は「HARASHIMAや飯伏がやらなかったプロレス」を求めてこんな試合になったのだろうか。そうだとしたらこれから彼らは大変な領域のプロレスをやっていくことになる。

おそらく樋口あたりもそこに入らないといけないんだろう。

でも、やっていくしかない。

・45分経過くらいで、場外戦に出た遠藤が北側記者席のステージから竹下をステージ下に落とし、そこからポーリーの背中を借りてムーンサルトで飛んでいくシーンがあった。

ムーンサルトに行く直前、両手を広げる遠藤の動きはかつての飯伏さんそっくりだった。

そのとき、「もう『飯伏のいないDDT』は終わったんだ」という意識が強く沸いてきた。

2017年のDDTは想像のつかない世界にいる。

今日引き分けに終わったこの二人の再戦が組まれる時(早ければ夏の両国のメインになるかも)、そのことは見た人すべてが実感してくれるのではないかと確信している。